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イノシシの特徴と効果的な駆除方法とは?
この記事を書いた人:坂田 和徳
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イノシシの被害は、主に農作物を荒らすことです。しかし近年では農耕地だけではなく、本来は山の中で暮らしているイノシシが環境の変化により餌が不足したことにより、市街地まで降りてきてゴミ箱を漁ったり、人を襲う被害も出てきています。
そこで今回は、イノシシの特徴と効果的な駆除方法をご紹介します。
1 イノシシの特徴
イノシシは鯨偶蹄目イノシシ科の1種で、この種を家畜化したのがブタです。
日本にはニホンイノシシとリュウキュウイノシシが生息しています。ニホンイノシシは本州、四国、九州に分布し、淡路島や小豆島でもみられます。近年では温暖化などの影響で、少しずつ北上してきているようです。リュウキュウイノシシは南西諸島の一部に生息しています。
基本的には、低山帯から平地にかけての森林や雑木林、草原などで暮らしていて、特に水辺を好みますが、生息地の減少などが原因で市街地に出てくることもあります。
イノシシは狩猟対象でもあり、食用として利用されることもありますが、広くは流通していません。
□外見
ニホンイノシシの体長は140cm~170cm、体重は80~150kg程です。リュウキュウイノシシはこれより小型で、90~140cm、体重は20~60kg程度です。
毛は硬くて粗く、毛色は茶色や茶褐色、黒褐色などです。鼻は真っ直ぐに突き出ていて、鼻先は平たくなっているのが特徴です。また大きな犬歯(牙)がついていおり、特に雄は鋭く、人間が襲われるとひとたまりもありません。
子はウリボウとよばれ、体に縞がありますが、授乳期を過ぎた生後約4か月ころには消えてしまいます。
□運動能力
イノシシは非常に力が強いです。その力は、鼻先で70kgの物を持ち上げられるほどです。突進する力も非常に強いので、大人の男性でも跳ね飛ばされてしまいます。
実はそれだけではなく優れた運動能力を持っています。
走れば時速45m程のスピードを出すことができます。イノシシは真っ直ぐに突進することしかできないと思っている人も多いですが、実は急停止も方向転換も可能です。
跳躍力も優れていることから、勢いをつけなくても1m程度の高さのものなら飛び越えることができます。まだ子どものイノシシでも、70cmほど飛び上がれるというから驚きです。また、大きな体をしていますが、20cmほどの高さがあると上手に潜り抜けてしまいます。さらにイノシシは、泳ぎもとても上手です。
嗅覚についても非常に優れています。その嗅覚は、イヌに匹敵するほどだそうです。しかし視力は弱く、人間でいう視力の0.1程度しかありません。
□餌
イノシシは雑食性ですが、果実、ドングリ、栗、キノコなどや、やわらかい植物の新芽や根などの植物質のものを好んで食べます。土を掘り返してイモ類やタケノコ、ワラビなども食べてしまいます。こうした餌を取ることができないため、冬になると雪が降るようなエリアにはほとんどイノシシが生息していないのです。
植物質のもの以外では、ミミズやヘビ、カエル、トカゲ、サワガニなどの他、昆虫類などの動物質も少し食べます。それ以外にも市街地に出てくるイノシシは、人間の出した生ゴミも食べます。
□生活エリア
低山帯から平地にかけての森林や雑木林で暮らしていて、生活範囲は半径数百メートル内を基本としますが、市街地にまで餌とりにくる場合などは半径3~5km程度まで広がることもあります。その範囲の中に、餌場、寝床、水場、ヌタ場(寄生虫を落とす場所)があります。
□繁殖能力
イノシシは1年半ほどで性成熟します。繁殖期は12月から1月頃に始まり、妊娠期間は約3ヶ月です。春になると2~12頭の子を産みますが、平均すると4~5頭程です。春の繁殖に失敗したメスの中には、秋に子どもを産むこともあります。生まれた子はウリボウと呼ばれます。
完全に成獣となるのには5~6年かかるといわれていますが、野性のイノシシの寿命は6~10年程度、もしくはもっと短いと考えられています。飼育されている場合では、15~20年程度です。
□天敵
日本国内にイノシシの天敵はいません。オオカミが生きていたころは、オオカミが天敵でした。幼獣の場合は、キツネなどに襲われることがあります。
□苦手なもの
イノシシはトウガラシのにおいや、ネギやニンニクなどの匂いの強い作物が苦手です。化粧品や石けん、線香や木酢液の臭いも苦手なようです。
□習性
イノシシはもともと神経質な動物です。見慣れないものに自ら近づくということは少なく、避ける傾向があります。ただし、不用意に近づいてきたものには、反撃してくるので危険です。
大人のオスは単独で暮らしますが、メスは子どもと一緒に群れで生活します。多いものでは50頭程にもなることもあります。
昼行性ですが、日中は休んでいることが多く、早朝や夕方に活発に動きまわります。ただし、市街地で餌を取るようになったイノシシは夜行性になる傾向が強いです。
イノシシは水浴びや泥浴びをする習性があり、そのあとは体を樹木に擦り付けます。これは体についた寄生虫を取り除くためのようです。
イノシシは学習能力が高く、記憶力も良いです。一度餌場と認識すると、しばらくはまた侵入してこようとします。人間が防除策をとったとしても、危険がないとわかると構わず侵入してきます。
2 イノシシを侵入させないための対策
イノシシは鳥獣保護管理法で保護されているので、勝手に毒えさで殺したり捕獲したりすることはできません。違反すると1年以下の懲役か、100万円以下の罰金となります。狩猟免許がある人は罠を仕掛けたり、銃で打ったりすることはできますが、北海道以外の地域は毎年11月15日から翌年の2月15日まで、北海道は毎年9月15日から翌年2月末日と狩猟期間も決まっています。
そうなると基本的には侵入を防ぐことがイノシシに対抗する方法となります。
2-1 侵入経路を作らないようにする
イノシシは臆病な動物なので、基本的には身を隠しながら移動することを好みます。そのためひらけた場所が苦手です。やぶや茂みなどがあればできるだけきれいに刈っておきましょう。
また、生ゴミはしっかり封をしたり、長時間ゴミを外に置かないようにしたり、ゴミの取り扱いにも注意しましょう。
2-2 侵入経路を塞ぐ
最も効果的なのは、物理的に侵入経路を塞ぐ方法です。
トタン板やワイヤーメッシュの柵を作ったり、電気柵を作って塞ぎます。イノシシは運動能力が高く、1mくらいの柵では簡単に飛び越えてしまいます。潜ることも得意なので、それらを考慮した柵を作らなければなりません。小さなガーデニングエリアや、ゴミ捨て場程度であればなんとかなりますが、それなりに大きい畑などであれば、かなり大掛かりな作業になってしまいます。
2-3イノシシが嫌う仕掛けをする
イノシシが嫌う仕掛けはいくつかありますが、それだけでは十分とはいえません。柵などの補助と考える方が良いでしょう。
①イノシシが嫌いな臭いを発するものをおく。
イノシシは嗅覚が発達しているので、嫌いな臭いを発するものを置いておくと、寄ってきにくくなります。
唐辛子を刻んでまいたり、木酢液をまいたり、石鹸の匂いをさせたり、オオカミの尿の匂いをまいたりする方法がありますが、その効果は一時的で、身の危険がないとわかるとまた侵入してきてしまうでしょう。
②センサーライトを置く
センサーライトは動きを感知して突然光るため、イノシシを驚かせる効果があります。
しかしこちらも、慣れてしまう可能性が高いです。
③超音波を発する機械を置く
イノシシが嫌がるような超音波を利用する方法です。
同じ超音波ではすぐに慣れてしまうので、様々な超音波を出せる装置にする必要があります。
3 まとめ
イノシシから庭や畑、ゴミ箱などを守るためには、イノシシが嫌う仕掛けをするだけでは十分ではありません。少々大掛かりな柵などを設置する必要があり、素人が行うのはかなり大変です。そんな時は、一度プロの害獣駆除業者に相談してみることをお勧めします。