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モグラの特徴と効果的な駆除方法とは?
この記事を書いた人:坂田 和徳
この道34 年で施工実績30,000 件以上の職人社長!
ゴキブリ・シロアリ・ネズミ駆除の専門家。
徹底的な調査とヒアリングによって他業者様には難しい案件も多数請負。
害虫駆除に加え経営・集客に関するアドバイスも可能。
とがった鼻、ずんぐりむっくりの体、主に地中に棲んでいてトンネルを掘っている、地上に出てくるとまぶしくて見えない…モグラのイメージはこんな感じでしょうか。
主に地中にいるため、実際にあまり見かけることはないかもしれませんが、農業に携わる方には害獣と呼ばれているモグラ。主に虫や幼虫など食べる動物なので農作物を食べてしまうことはないのですが、土を掘り返したりすることで農作物の成長に影響が出たり、モグラの巣にネズミなどのモグラ以外の害獣が侵入し農作物を食べて荒らしてしまったりと、モグラ起因の被害は結構あるんです。
今回はモグラ特徴や駆除方法についてご紹介します。
1. モグラの特徴
まずはモグラの特徴からご紹介します。
<外見・性格>
音や匂いに敏感で、聴覚や嗅覚が発達しています。目は退化してほとんど見えていません。鋭い爪と大きな手を持っており、土を掘るのに適しています。
実は泳ぎが上手く、水辺を泳いで移動することができます。
とても警戒心が強い性格で、巣に侵入した者を咬み殺そうとします。
<生息地>
北海道以外の日本全域に生息していますが、東日本と西日本では生息しているモグラの種類が異なります。
一生のほとんどを地中で過ごします。
モグラは木の根っこや小高い丘の下に巣を作ります。雨をしのぐためです。
エサを捕る・蓄える場所や休憩場所、水飲み場、侵入者から身を隠す場所、それらを行き来するトンネルで作られており、まさしく生活の場を地中に作っているといえます。
上記の場所を繋ぐトンネルは本道、エサを捕る場所に行くために掘ったトンネルは支道と呼ばれています。
本道は生活の場なので何度も使用しますが、支道はほとんど通らない、または一度のみしか通らなかったりします。
※なお、繁殖期にオスがメスを探すため行動範囲を広げます。
<餌>
主食はミミズや昆虫、その幼虫などです。
1日に体重の半分くらいの量の餌を食べます。モグラはエネルギー消費が激しく大量の食物を必要とする動物で、胃の中に12時間以上食べ物がないと餓死します。
冬でも冬眠はしません。地下深くでエサを探しています。
2. モグラによる被害
主に下記のような被害が発生します。
・巣の中に入った植物の根を取ってしまいます。
そのため、根が張りにくくなり植物が育たなかったり、生育が悪くなったりします。
・モグラの作ったトンネルにネズミが侵入し、作物を食べてしまいます。
・巣を作ることで土の保水力が低下してしまうため、農作物や植物の生育が悪くなってしまうことがあります。
・主食であるミミズを食べるため、畑などにとっては益虫であるミミズが食べられてしまい土壌が荒れてしまいます。
そのほかにモグラ塚(モグラが掘り出した土を地上に押し上げたもの)によって庭などが荒れてしまうこともあります。
農業に携わっていたり、家庭菜園を楽しんでいたりする方には、あまり歓迎できない動物というのを感じていただけるのではないかと思います。
3. モグラの被害を防ぐには?
では、どうやってモグラの被害を防ぎ、退治したらいいのでしょうか。
まずはモグラが身近にいるのかどうか、巣があるのか、どのようにトンネルを張り巡らせているのかを確認するところから始めてみてください。
<モグラ塚を探す>
モグラ塚とは巣を作るために掘り出した土を地上に押し上げたものです。地面が盛り上がっているので発見しやすいです。
モグラが地中を掘り進むんだ場所は地面が少し膨らんでいたり、ひびが入っていたりします。塀などに沿っているところや田畑の畦や畝に多く見られます。
<本道、支道があるかを確認する>
モグラ塚や巣を見つけたら掘ってみてください。トンネルが見つかるかと思います。そのトンネルが本道(頻繁に通る道)か、支道(ほとんど通らない道)なのかを見分けましょう。
※本道と支道を見分け方※
1)トンネルを埋めて地面を平らにする。
2)再びトンネルが出来上がっていたら本道です。
(モグラは本道が崩された場合、修復する習性があります)
なお、本道は塀や石の下などの雨がしのげる場所や畑の境に多い傾向があり、支道は草木の根元や畑の中に多いです。
4. モグラの駆除方法
モグラの巣や生息が確認出来たら駆除を行います。
ここでは主な駆除方法である「におい」「音波」「わなを仕掛ける」の3つの方法をご紹介します。
<においで駆除する方法>
モグラは嗅覚が発達しているので、「忌避剤」を使って駆除する方法が有効です。
忌避剤には、
・地面に置くタイプ
・巣穴に差し込むタイプ
・巣穴に噴射するタイプ
などがあります。モグラの巣や被害が出ている場所に置き、モグラを別の場所に移動させます。(捕獲はしません)
雨や水がかかると効果が低下してしまうことがあるので、かからないような場所を選ぶようにするとよいでしょう。
注意したい点は、市販の忌避剤はナフタリンが主成分なので強いにおいがすることです。モグラに限らず人にとっても強烈な刺激があるので、使用する際は十分注意してください。(ナフタリンは殺虫剤や防虫剤に使われています。)
また、農作物などのそばに置くと枯らしてしまう可能性があるので、距離をとって置くとよいでしょう。
その他、嗅覚の発達を利用して、にんにくを植えたり唐辛子を撒いたりする方法もあります。これらは自宅にあるものなので、忌避剤の購入前に試してみても良いかもしれません。
<音波で駆除する方法>
モグラは聴覚も発達しています。こちらもにおいと同じく、モグラが苦手な音波によって別の場所に追い払う方法です。
電池で音波を発生させる装置(音波装置)が市販されているので、それをトンネルに差し込むだけです。
忌避剤と比べると少し値段が張りますが、農作物への影響がないことや装置を差し込むだけで良いので駆除方法としては手軽にできます。
ただし、土の中に障害物があったりすることによって、音波が伝わりにくい場合があります。
<わなを仕掛けて捕獲・駆除する方法>
モグラがよく使う本道にわな(捕獲器)を設置して捕獲する方法です。
わなの種類は主に2つのタイプが市販されています。
・筒タイプ
・直接捕獲タイプ
モグラは嗅覚が発達しているため、土の中に捕獲器があることでいつもと違うにおいや人間のにおいを敏感に感じ取り、捕獲器を避けることがあります。設置する場合は手袋をはめ、捕獲器を土にこすりつけるなどなじませて設置するとよいです。
なお、モグラは12時間以上胃の中に食べ物がないと餓死してしまうので、わなにかかったら1日以上置いておくと捕獲後に駆除しやすくなります。
<その他の方法>
田畑を持つ農業に携わっているのではなく、家庭菜園など駆除したい範囲が狭い場合は、金網などで囲うだけでもモグラの侵入は防げます。
5. まとめ
モグラについてお伝えしてきましたが、最後にもう一つモグラの駆除に際して注意してほしいことがあります。
モグラには絶滅危惧種と準絶滅危惧種が存在します。
農林業の事業活動に必要などでやむを得ず行う場合に、「捕獲」が可能です。そうではない場合、原則、環境省もしくは自治体の許可が必要です。
※農業や林業に従事している場合、モグラの捕獲について例外が設けてあります。ただし、モグラ全種類、鳥類や哺乳類に属す野生動物は「鳥獣保護法」の保護対象です。
捕獲の許可をとるにあたっては、日常的に被害がある、被害を防ぐ対策を行っても防ぎきれない場合などで認められるものとなっています。(詳細が知りたい場合は各自治体へお問い合わせください)
ですので、捕獲して駆除したいのであれば、上記でお伝えしたにおいや音波での駆除方法を行っても追い払うことができなかった際の最終手段として選ぶようにしてください。
もし、追い払うことができず捕獲の許可をとりたいけれど、なかなか時間も知識もない、という場合は、モグラ(害獣)駆除の専門業者に相談・依頼するのも一つの手です。モグラの被害にお困りでしたら検討してみてくださいね。